キネシオロジー

「分子栄養学ですごく良くなる人」と「ちゃんと実践しているのに良くならない人」の違い

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篠原 岳

東京原宿クリニック院長 医学博士・総合内科専門医・呼吸器内科指導医・アレルギー専門医・臨床分子栄養医学研究会指導認定医・キネシオロジスト・宮澤医院栄養外来担当 さまざまな不調を、分子栄養学と現代医療とキネシオロジーを合わせて改善させようとしている。 詳しいプロフィールはこちら

例えば、「だるくて仕方ない」ということで悩んでいる場合、 まずは病院に行くでしょう。

たいていの「だるい」に対して、西洋医学では原因が見つからず、 「検査で異常がありません」ということで終わってしまいます。

分子栄養学では、「だるい」=「細胞がエネルギーを作れていない」、 ととらえることができて、治療のとっかかりができます。

「だるい」という肉体の症状を抱えている方は、 たいてい「うつ」や「不安」などの精神症状を抱えています。

分子栄養学で、「だるい」を改善させると、 精神症状も改善することが多いです。

こういった経験から、分子栄養学は「だるい」などの 西洋医学が不得意とする慢性症状の 根本治療となりうると考えられます。

一方で、残念ながら分子栄養学を実践しても良くならない、 または良くなってもまた元に戻ってしまう方もいます。

ネガティブな気持ちや感情が深くからんでいると、 良くならないことが多い印象があります。

最近、キネシオロジーを学ぶ機会に恵まれ、 そのことを考えるきっかけができました。

キネシオロジーは、自分の体の声を、 筋反射テストによって聴くことにより、 不調の原因をさぐったり、調整をします。

キネシオロジーの考えを使うと、 より人を深く理解できるのではないかと思います。

この記事では、キネシオロジーの世界観で人をみた場合に、 分子栄養学で良くならない場合にどのようなことが 考えられるかを考察してみたいと思います。

人は、肉体だけでできているわけではない

最近の診療の現場では肉体のみを診るだけでなく、 肉体以外の側面のこともトータルで診るべき という風潮になってきています。

それを一番感じるのは、重い病気を抱えた患者さんが より豊かに生きることができるように 考える緩和医療の分野です。

そこでは、終末期の患者さんは4つの痛みを持つと言っています。

身体的苦痛(痛い、だるいなど)、 社会的苦痛(経済や仕事の問題)、 精神的苦痛(不安や孤独など)、 スピリチュアルペイン(生きる意味や価値など)です。

人間は肉体だけで痛みを感じるのではないので、 全人的苦痛を診るべきと言っています。

まだまだ、西洋医学の診察では肉体のみに フォーカスしがちでありますが、心や スピリチュアル(霊的、魂)も大切だと言っているわけです。

人は、肉体・気・精神・魂などが層になって構成されているという説

人は肉体だけではないとすると、どのような状態になっているのでしょうか。

米国で内科医として活躍しているリチャード・ガーバー医学博士は、 著書、「バイブレーショナル・メディスン」でこう述べています。

人の全体像は、様々なエネルギーの層(肉体・気・精神・霊など) で構成されていて、かつそれぞれの層があたかも ピアノの鍵盤を同時に弾き鳴らすような共鳴現象を起こすとのことです。

もちろんガーバー博士の仮説ですが、膨大な文献を元に、 現代医療の礎である、肉体一元論に対して、 霊性を含めて人を理解しようとしています。

この仮説に立って考えると、一つの 治療法だけではうまくいかない理由も 説明できると考えます。

人が肉体だけという状態を、以下の図のように描くとします。

例えば、「だるいな」と肉体で感じている場合、 人が肉体だけでできていると考えれば、次の図のようになるでしょう。

肉体のレベルにある、「だるい」という症状に対しては、 前述のように肉体を扱う西洋医学での治療でも難しいでしょう。

分子栄養学は、肉体のレベルでの根本治療に リーチできますから、「だるい」という 症状を改善させることが期待できます。

ところで、ガーバー博士の説では、 人間は様々なエネルギーの層が重なって できているということですから、 次の図のように描けるでしょう。

このモデルで、肉体が「だるい」と感じていた場合、 それは、「気」、「精神・感情」、「魂」の層に 共鳴するとのことなので、次のようになるでしょう。

「肉体」レベルで、「だるい」と感じていた感覚は、 例えば「精神・感情」の層に共鳴して、 「うつ」という精神状態になります。

分子栄養学を用いて、肉体レベルの 「だるい」を治療すると、それも共鳴して 「精神・感情」の層の症状である 「うつ」も良くなるというわけです。

ところが、これが通用するのは、次の図のように、 この「だるい」と感じている症状の 根本原因が、「肉体」のレベルにある場合です。

この場合、肉体にアプローチした、分子栄養学で 治療することによって、共鳴することで、 「精神・感情」レベルの「うつ」も良くなることでしょう。

しかし、以下の図のように、肉体が感じている 「だるい」という症状の根本原因が、 「精神・感情」レベルであった場合はどうでしょうか。

この場合、肉体レベルでの治療を行うと、 ある程度治療は共鳴するので、一時的に改善しますが、 根本原因が「精神・感情」レベルであるため、 また元に戻ってしまうことが予想されます。

こういう時には、「精神・感情」レベルでの 治療がより優先されるべきでしょう。

たとえば、その人のものの考え方や、 過去のトラウマなどが根っこになっている 可能性があるわけです。

「精神・感情」の治療をすれば、肉体に共鳴して、 「だるい」という症状は良くなると考えられます。

根本原因が肉体にある場合でも、精神にある場合でも、 肉体で感じる症状は「だるい」で同じなのですが、 根本治療は違ってくるというわけです。

これが、「分子栄養学ですごく良くなる人」と 「ちゃんと実践しているのに良くならない人」の 違いなのかもしれません。

キネシオロジーでは、それぞれのエネルギー層を横断的にみることができる

キネシオロジーは、筋肉の反射をみることによって、 からだの声を聴いて、調整するための学問です。

私はキネシオロジーを学ぶことによって、 その世界観から、人を診るということに対して、 さらに幅が広がったように思います。

キネシオロジーで人をトータルで診ることで、 その症状の根本原因がどの層から来ているのかを、 行ったりきたりすることができます。

だからといって、キネシオロジーが 万能というわけではありません。

キネシオロジーは各層を横断的に リーチできるものの、各々の層についての 専門性は浅いです。

そのため、他のテクニックと 併用するといいのかもしれません。

その人の根本が肉体であれば、 それは分子栄養学に迷わずすすむことができます。

分子栄養学とキネシオロジーが合併することで、 より正確度が高い治療に結びつくのではないかと考えます。

今回の記事は、キネシオロジー東京の森田達也 先生の 洞察を参考にさせていただきました。

まとめ

分子栄養学でも良くならない理由を考えた時に、 人間は肉体のみでできているわけではない ということを受け入れる時かも知れません。

その考え方は何も特殊ではなく、 西洋医学において、特に緩和の領域では 受け入れられています。

人を構成する各エネルギーの層 (肉体・気・精神や感情・魂・その他)の中で、 どこに根本原因があるのかを探すことができれば、 より治療効果が上がると考えられます。

キネシオロジーは、各エネルギー層を 横断的に探索することができます。

分子栄養学は、肉体レベルでの根本原因に リーチすることができる実践的治療法です。

分子栄養学とキネシオロジーを併用することで、 より確かな根本治療に向かっていくのかもしれません。

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最後に(免責)

本記事の内容は、医学的治療に置き換わるものではありません。 個人的にお試しになり健康被害が生じても、当院では一切責任を負えませんのでご了承下さい。

病態の改善に必要な食事はひとりひとり異なります。

基本的に、主治医に相談しながら進めていただければと思います。

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